エキセントリック一徹!90年代のハードコアレイブMVの世界へようこそ。

コンピュータの処理能力の向上と機材の小型化、安価化と共に、電子音楽は正比例して世界中に広まりました。昨今のポップミュージックでは、デジタルで生成された音声が含まれていない方が珍しいほどじゃないでしょうか。そんなエレクトロニカのなかでも、ハードコア・レイブと分類される欧米諸国や豪州などで1990年代に大きな発展を遂げたジャンルがあります。今回はこのジャンルの、現代をもってなお誰の追随を許さない方向を攻めている、型破りなミュージックビデオを集めてみたよ。


Dolls United – “Eine Insel Mit Zwei Bergen”

こちらはドイツのドールズユナイテッドの作品。ハッピー・ハードコアと呼ばれるテクノのジャンルですが、ようするに「何も考えずアタマをハッピーに踊ろうぜ」というコンセプトが基盤となるそう。”Eine Insel Mit Zwei Bergen”ドイツ語を読めないのでグーグル先生の知恵を借りると「二つの山の島」という意味。子供向けに作られたビデオとのこと。当時の子供たちはきっと革新的な影響を受けたに違いないでしょう。

Dune – “Hardcore Vibes”

アメリカのSF小説家フランクハーバードの作品に影響を受けたと言われるドイツのレイブバンドDuneの作品。どことなく、映画『ラビリンス』や実写版『不思議の国のアリス』を彷彿とさせる世界観に迷い込んだ少女。そして、どう見てもドラゴンボールに登場したあの種族の人が音楽に耳を傾けている状況。このカオス、大好物。ドイツ人すごいな。

Technoheads – “I Wanna Be a Hippy”

イギリスのテクノヘッドというバンドの作品。タイトルから察するに、ヒッピーになりたいスキンヘッドの男3人組が公園のベンチで頭を振っているところ、ある種の何かで気持ちよくなっているヒッピー風の男を発見し襲いかかる、という内容。あまりにチープで、コンセプトの片鱗もないのに、なぜか心に引っかかる「なんだこれ」感。好きです。まさにハッピーテクノ。共感してくれるお友達は……いないかな。

DJ Mark Van Dale vs. Klubbheads – “Raise Your Hands”

スタートレックに出てくるらしい「クリンゴン人」と2万数千年前に絶滅したとされる現代人類の近縁種「ネアンデルタール人」のハーフが、イカれた人形の群れの乗る宇宙船に乗り込んだ、という設定らしいです。音源サンプルのミニマル感に洗練の兆しがでてきた時期の1998年に発表されたこの作品。SFxセサミストリートx不条理といった映像も、クオリティは確かです。いや、好きです。こういうバカだけどかっこいい。不条理だけど、余計なことをしないのがクール。

Rednex – Cotton Eye Joe (Official Music Video) [HD] – RednexMusic com

1994年にリリースされたRednexのカントリーテクノ。カントリーミュージックといえば東京ディズニーランドのスプラッシュマウンテン付近で流れているような、平和な西部劇的な感じというか、きっと聞いたことのある感じの牧歌的な音楽。そういうカントリー(田舎的)な古い音楽と、テクノという新しい音楽をわかりやすく融合させた、今でいうマッシュアップ黎明期の例がこの作品。日本でいうと琉球音楽とテクノを合わせた「RYUKYUDISKO」とか、「OMODAKA」がやっている形に近いでしょうか。キャッチーです。しかも、アメリカ開拓時代の埃っぽい感じに、スウェーデンな薫風かおる爽やかなダンス。いいよね。

 

80年代では限られたプロフェッショナルしか扱えなかったデジタルな音楽機材が、90年代には世に広がり始め、カオスとセオリーが入り混じり、もはや実験自体が面白い時代だったようです。それに付随して映像にも攻めの姿勢がみられます。数多のアーティストたちが数々の挑戦と失敗を繰り返し、たどり着いた2015年の今となってはデジタル音源当たり前の時代。人によっては飽和状態ともとれちゃうポップミュージックシーンも、こういうチャレンジを礎にして成り立っているわけです。僕らの音楽は、一体どこに向かうのでしょうか。随時求む、新ジャンル。

 

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